八剱神社と千万町神楽
千万町神楽は、4月の第3日曜日の春祭りに、豊作と悪魔祓いの願いを込めて、八剱神社で奉納されます。
八剱神社は、文永3(1266)年創建と伝えられ、同年の棟札が残されています。本殿は、江戸時代後期文化年間(1804から1817年)頃のものと推定されます。
宝暦元(17519年の文書には、この年の祭礼で神楽を舞ったという記録が残っています。ここで奉納される神楽は獅子舞神楽です。獅子の頭をつけ女物の着物を身に着けた舞方が舞うため、嫁(娘)獅子神楽とも呼ばれ、その起源は歌舞伎を取り入れた獅子芝居であるとされます。
祭礼当日、朝8時より関係者が神社にて幟(のぼり)、神輿(みこし)、獅子頭等の準備を行います。
午前9時から八剱神社境内の矢場では祭礼弓の参加者が弓射を始めます。金的的中するまで神輿渡御(とぎょ)のお練りはできないとされ、弓射は祭礼の重要な役割を担っています。
弓射と並行して、午前10時に開始される神事の後半で、神楽が奉納されます。
午後2時頃には、送り囃子(ばやし)が奏される中、若宮社へ神輿渡御となります。囃子の音を聞き、集落の人々が行列に加わります。若宮社に到着すると、神官らの参拝が行われ、その後、神楽が先程よりも賑やかに舞い、見物人を楽しませます。
午後4時頃、戻り囃子が奏される中、神輿は若宮社を後にして八剱神社へ還御(かんぎょ)します。
ここがポイント!
千万町神楽は県の無形民俗文化財に指定されています。昭和39(1964)年指定。
神明宮例大祭
木下町の神明宮には、延宝2(1674)年の舞屋建立の棟札と、延宝7(1679)年の銘の入った鰐口(わにぐち)が今も残されています。また、安永6(1777)年の「三州木下村、神明宮、山王宮」と銘のある「お湯立ての大釜」も残っています。祭神は、天照大神です。
神明宮の例大祭は、五穀豊穣、郷土平安を願って、毎年10月の第1日曜日に行われます。
前日に、14メートルほどの長さの幟竿を一対、氏子が協力して立てるところから祭りの準備は始まります。
それから、今年のお米を収穫した後の稲わらを三把ずつ持ち寄って縄をない、鳥居用と神殿用と2つの太いしめ縄飾りを作って飾り付けます。
祭礼当日は、昭和12(1937)年奉納の幟をあげます。
大釜で煮たお汁粉を、参拝者に振る舞います。消防団の若者が、焼き鳥やみたらし団子を焼いてくれます。
「わっしょい、わっしょい。」と、子どもたちが元気に神輿を担いで、神殿前まで坂道を登って来ます。
神殿では、お祭りの神事がおごそかに行われます。
祭式が終わった後で、直会(なおらい)をし、新米のお洗米とお塩を榊の葉で手の平にのせていただきます。お神酒もいただきます。
もち投げとくじ引きのお楽しみもあります。各家には、社守さんの家でついた、少し大きめの家主もちが分けられます。
今年の実りに感謝して祭礼の幕を閉じます。