千万町ミツマタ群生地黄金郷

100年ほど前に、山主のご先祖の荻野清助さんが、和紙の原料としてミツマタの苗を栽培したことから、千万町のミツマタ群生地誕生の物語が始まります。

ミツマタの名前の由来 和紙の原料としてのミツマタ

ミツマタは、ジンチョウゲ科のミツマタ属に属します。和名はミツマタで、漢字表記は、三叉(みつまた)及び三椏(みつまた)です。英語名は、Oriental paper bush(オリエンタルペーパーブッシュ)和訳すれば(東洋の和紙用低木)です。

ミツマタは、和紙の原料となる多年生の落葉性低木植物です。日本の特産で、繊維が柔軟で光沢を持ち、良質な和紙の原料となるところから、1万円札など紙幣の原料としても使われています。

ミツマタの花の見頃~3月中旬から4月中旬~春の季語・花言葉

千万町ミツマタ

千万町のミツマタは、3月中旬から4月中旬に開花の最盛期を迎え、花の見頃となります。春先に、葉が出る前に、三つに分かれた枝の先に小さな黄色い花が集まって半球形に固まって咲きます。花は良い香りがします。

春に先駆けて花を咲かせるので、春を呼ぶ花として、「三椏の花」は、俳句の春の季語となっています。ミツマタの繊維の柔らかさ、強さから、ミツマタの花言葉も、「永遠の愛」「肉親の絆」「壮健」「強靱」など縁起の良い物となっています。

千万町ミツマタ群生地黄金郷誕生~山里の復活再生物語~

千万町のミツマタも、実際に、家庭で茎の皮を煮て、その繊維を使って紙すきをして、和紙の原料として使っていたそうです。

その後、戦後の木材の高騰期には、杉(スギ)や桧(ヒノキ)の植林が盛んになされ、ミツマタも一時はほとんど見られなくなり忘れ去られているような状況でした。そんな中、ミツマタ群生地は、山主さんの木の枝打ちや間伐など山の手入れにより樹齢100年ほどの見事な杉の美林となりました。

近年、「長伐期大径木見本林」として間伐の手入れがなされ、林の中に、明るい日光が差し込むことで、日照を好むミツマタの生育に良好な環境が整えられました。今まで、土の中で眠っていたミツマタの種から芽が吹き、根をはり、枝を伸ばし、花を咲かせ、実を付けていきました。こうして、実生のミツマタの木が、だんだんと山の斜面一帯に広がっていきました。今では、小川の両斜面の山一体がミツマタの花で埋まるというミツマタ群生地が誕生したのです。

人の手入れにより、良好な環境が整えられることで、ミツマタの群生地が誕生・復活したのです。千万町ミツマタ群生地の誕生と復活には、このような物語があるのです。人による山の木の手入れという山里の生きる人々の営みと共存することで、ミツマタ群生地が生まれたのです。

小川をはさんで両方の山一面のミツマタの群生地は、その花の最盛期には、小さな黄色い花が一斉に開花して、黄金郷とよべるような素敵な景観を見せてくれます。まさに、「千万町ミツマタ群生地黄金郷」であり、「山里のお宝」そのものです。

岡崎市の水源林である山に降った雨水が大地にしみこみ、わき出す水は、乙川の流れの始まりです。岡崎市民の飲みの水の半分を支えるいのちの水となります。

千万町ミツマタ群生地は、都市と農山村をつなぐシンボルであり、山の手入れという人間の営みと環境保全のあり方を問いかけている、山里の復活と再生を象徴する、山里のお宝なのです。

千万町ミツマタ群生地は、心のふるさととしての日本の原風景がある

地元の人の山の手入れという営みに守られてきたミツマタ群生地がある千万町。ここには、日本の原風景があります。ここは、地元の人の大切な生業とくらしの場であると共に、訪れてくださったあなたにとっても「心のふるさと」となることでしょう。ミツマタの花や、地元の人とも、あいさつを交わしていただけば幸いです。

ミツマタ群生地見学にあたって

ミツマタ群生地を守るためにご協力をお願いします

①ミツマタ群生地は私有林です。ミツマタは鑑賞するだけにして、ふれないようにお願いします。

②ミツマタ群生地に行く道は農道です。車の乗り入れはご遠慮ください。千万町楽校からは、片道約2km徒歩で30分ほどかかります。

③ごみや空き缶などは必ず各自で持ち帰ってください。また、山火事防止のため禁煙にご協力ください。

④ミツマタ群生地環境保全のための募金にご協力ください。

ミツマタ群生地見学マップ

ミツマタ群生地地図(PDF)

ミツマタ群生地地図

駐車場

臨時駐車場約5台(3月~4月のみ)

◆地主さんのご厚意による駐車場です。満車の場合は千万町楽校の駐車場をご利用ください。
◆ここからミツマタ群生地まではおよそ800mです。県道横断の際はご注意ください。

※仮設トイレがミツマタ群生地入口付近にあります。


千万町楽校駐車場約30台

◆ここからミツマタ群生地まで、およそ2100mです。

※トイレは千万町楽校にもあります

赤の斜線部分は八剱神社の駐車場です。駐車しないようにお願いします。また、八剱神社境内や矢場に入らないようにお願いします。

千万町楽校からミツマタ群生地まで行き方

千万町楽校をスタートして、せせらぎロード入口に向かいます。

◆ミツマタ群生地まで約2100m

※トイレは千万町楽校にしかありません


せせらぎロード(農道)
スタート地点

◆ミツマタ群生地まで約2000m

せせらぎロード(農道)を歩き乙川のせせらぎと春の風を満喫してください。農道を1300m進むと県道333号にでます。

※車での侵入はご遠慮ください


川沿いの農道を道なりに直進します


タムシバ鑑賞地点

◆ミツマタ群生地まで約1000m


農道を出て県道333号を横断し林道へ

ここから先は林道につき車での侵入はご遠慮ください。

県道横断の際はご注意ください。


林道分岐を右へ

林道を進むと道が二又になります。右の道へ進んでください。

※農作業車が入りますので、この付近に車を駐車しないでください


直進するとミツマタ群生地入口が見えてきます


ミツマタ群生地入口の看板があります

その他のオススメポイント


TOP